ライター紹介

某ファッション研究所 ディレクター
多くの百貨店、GMS、専門店に対してマーケティング、トレンドのディレクションのみならず商品企画、売場作り、ブランド開発にいたるまで幅広く活動。
最近のファッション界での大きなニュースというと「海外ブランドの日本撤退&縮小」が挙げられます。
ベルサーチが日本から撤退し、銀座にできるはずだったルイ・ヴィトンは出店が白紙に戻され、アメリカのカジュアルブランド「GAP」の入店に向けて工事が進んでいるようです。
この事例にも象徴されるように、昨今はファストファッション花盛り。
ファストファッションとは鮮度の高いトレンド感を取り入れた、安い値段で提供される衣料品のことで、今年を代表する流行語としてもすっかり定着していますね。
人々の需要が高価な高級ブランドよりもファストファッションに傾いてしまった結果といえるでしょう。
では、そんなファストファッションがもてはやされる今年のファッション、とりわけレッグファッションはどういう傾向なのか、いくつかの店頭写真で見てみましょう。


さて、ファッション大好き人間のあなたも、ファッションにはさほど興味のないあなたも、昨年までの秋冬レッグファッションとの大きな変化に、きっとお気づきですよね。...そうです、色です!!!
色が、地味...です...ね。
二年前の秋から今年の春頃まではカラータイツが大人気で、ワインレッドやモスグリーン、時にはブルーやオレンジなど目にも鮮やかなヴィヴィッドカラーが女性達の脚を彩っていました。
ところが今年は不況が色濃く反映されて、カラーはグレー〜ブラックといった無彩色にほとんど集約されています。ただ、注意深く見て下さい、アイテムバリエーションが拡大していることにお気づきいただけますか?

たとえばトレンカ。
足に引っ掛けるタイプのレギンスで、脚が長く見える効果がある!と新聞やら雑誌で紹介されて、今年の春頃から人気が出てきています。
このトレンカには脚長効果に加えて、流行するもう一つの隠れた要因があります。
それは「80年代ファッション」。
今年の秋冬ファッションのキーワードの一つが「80年代ファッション」ですが、まさに80年代というのはフィットネスブームが巻き起こっていた時代で、このトレンカが大流行したファッションヒストリーがあります。
そのトレンカとよく組み合わせる「レッグウォーマー」も象徴的な80年代フィットネスアイテムの一つです。

アイテムバリエーション拡大のもう一つの例が「ハイソックス」。
今年もショート丈のスカートやパンツが流行っていますので、それに合わせやすいアイテムとして販売量が増加しています。
ハイソックスも膝丈タイプから膝上、もっと長いサイハイソックス、とさまざまな長さバリエーションがあることが今年の特徴です。
カラータイツに代わる長モノでは、柄モノのタイツやストッキングが拡大しています。
最近では伝線しにくいストッキングなど、技術面での革新もあり、さまざまな柄のストッキングが提供されています。
いろんな要因(人々のライフスタイル、社会状況、ファッションの歴史、技術など)が関与して、レッグファッションの流行が作られていきます。最近は洋服よりもレッグファッションをみれば、どんな時代なのか読み取れる、まさに時代を象徴するファッションアイテムと言ってもいいかもしれません。それは誰か特別な人が作るわけではなく、私達一人一人が作っていくもの。今年の秋冬は、昨年の秋冬とはきっと洋服も気分もちがうはず。その気分に応じた、あなたなりのレッグファッションを楽しんでください!!
